金パラという金属

今回は、詰め物や被せ物を使われる『金パラ』という金属についてご紹介したいと思います。

金パラというのは、歯科業界で使われる略称です。正式には【金銀パラジウム合金】といいます。

つまり、『金パラ』とは、金と銀とパラジウムを主成分とする合金のことをいいます。そして保険治療に使える金属として日本中のすべての歯科医院で主に使われている金属になります。主に以下の歯科治療で使用されています。

⦿クラウン(被せ物)

⦿インレー(詰め物)

⦿ブリッジ

⦿クラスプ(入れ歯のばね)

ここで、疑問に思われるところがあると思います。

保険治療で使用される被せ物や詰め物は銀色をしていますが、使用されている金属の名称が『金パラ』というのは、違和感を感じると思います。

『金パラ』という合金の名前と、見た目の色に関係はないのです。ここで重要なのが、金属の組成です。つまり、何を含んでいる合金なのかが大切です。

合金の金属の名前は、合金の含有量が多い順に書き並べられます。

『金パラ』では、JIS規格では次のような合金と決められています。

金の含有量が12%以上

パラジウムの含有量が20%以上

銀の含有量が40%以上

合金の含有量の多い順に並べると、銀>パラジウム>金の順となります。正しくは【銀パラジウム金合金】となります。

ですが、歯科では今まで慣例的に、

【金銀パラジウム合金】 ⇒ すなわち 【金パラ】

の方で呼んでいるんです。

では、どうして【金銀パラジウム合金】の歯を、銀歯と呼ぶのでしょうか?

❶見た目が銀色だから!おそらくこれがその理由だと思います。

❷昔は、銀歯と金歯しか種類がありませんでした。そのため、分かりやすく比較するために金歯に対して銀歯となったものと考えられます。。

(金歯は実際に金合金でできています)

銀歯なのに、【金パラ】という金属でできていることがわかりましたか?

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