60才を過ぎて親知らずが出てきた
『60才を過ぎて親知らずが出てきた』
そういわれる患者さんに、まれですが、遭遇します。
親知らずとは、一番奥に生えてくる前から8番目の永久歯のことをいいます。そして親が知らない年齢に生えてくる永久歯と呼ばれるので、この名前が付いたともいわれています。
つまり通常は、思春期ぐらいから20歳ぐらいに生えてくることが多いのですが、生えてくる時期に関しては、30歳代40歳代と様々です。全く生えてこない方も全体の30%ぐらいといわれています。。
ただし、60歳になって親知らずが生えてくることはとても稀といえるでしょうね。この年齢で親知らずが生えてきたというほとんどの場合、親知らずの手前の歯が抜けてしまい、今まで隠れていた親知らずの存在がわかるようになったためだと考えられます。
ただし、こういった場合の親知らずですが、今後どんどん出てくることはほとんどありません。
つまり親知らずが低い位置でとどまったままで親知らずが出てくるように見えるのは、親知らずの周囲のハグキが下がってくるからです。
*通常親知らずの歯根が完成するのは、20才ぐらいまで。
*60才という年齢を考えると歯を支えている骨の代謝も落ちている。
などの理由から、今後親知らずがグングン出てくる可能性とは少ないと考えられます。
だから、周囲のハグキが炎症を起こしたり(歯周病になったり)、親知らず自体がムシ歯になっていたなどが無ければ、経過観察することが多いです。
こういった親知らずは、意外と骨埴が良いことも多く、安易に抜歯に取り掛かると、結構抜歯が難しいことも考えられるのです。
まれなケースですが、すべての親知らず以外の歯を抜歯してしまった方が、このように『80歳を過ぎて親知らずが出る』と、【総入れ歯の老人に歯が生えてきた】とニュースになるかもしれませんね。珍しいことですが、偶然が重なると考えられるニュースになりえます。
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