歯を削る摩擦熱
ムシ歯を治療する際に歯を削りますが、その際に摩擦熱が発生するのをご存知でしょうか?
そしてその摩擦熱を冷やすために、必ず歯医者では、お水をかけながら治療しています。
ではどうして摩擦熱を冷やす必要があるのでしょうか?
歯の神経(歯髄)は、摩擦熱などにより、神経の温度が8度ほど上がると、歯髄壊死が始まります。
歯科治療の際、銀歯の調整する際にも、少しドリルを当て続けると、その摩擦熱により、指で触れないほど銀歯は熱くなります。モノを削るときに発生する摩擦熱は、とても大きいのものです。
しかし、残念ながら歯科用の診療チェアーに、自動で水温調節できるものはありません。つまり、温度調整のコントロールは、注水量で行うしかありません。
通常、ドリルを30万回転で使用する場合、最低65CC/分の水が必要になりますが、当院では、80CC/分の水が出るようにして、歯科治療のドリルで歯を切削する際の摩擦熱の影響がないようにしています。
当院のこの注水量は、歯科医院平均より多い方になります。実は、注水量が多いと、その水圧で視界が妨げられてしまうことがあります。慣れればどうということもありませんが、治療中にお口の周りに水が飛び散ってしまうことがあります。衣服を濡らしてしまわないように気を付けているのですが、注水量を減らすわけにはいきません。
ムシ歯を削る目的は、歯を長持ちさせるためですので、摩擦熱にダメージを最小限にすることにいつも配慮しています。そのためには、歯髄にダメージを残さない削り方もとても大切です。
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