下手な方が、感謝される?

学生時代に経験した話をさせていただきます。

私の学生時代、見学実習では、指導医の先生が1年目の医局員の先生を指導しているのを見学するというのが、よくありました。(今は、ずいぶんと違うようですが)。

ある時、総入れ歯の見学実習ですが、(指導医が急用のため)指導医の先生がずっと診ていた患者さんを1年目の医局員の先生が診ることになりました。

 

 

 

 

 

こう言ってはなんですが、腕前は指導医の先生の方がはるかに上手です。
普段、横で見学して見ている私ですら、1年目の医局員の先生の手つきは心配になるほど下手でした。

当然、患者さんも不安になると思っていました・・・。

ところが、次の来院時に、患者さんから「いつも診てもらっている先生でなく、前回診てくれた先生に診てもらいたい」との要望があったのです。

要するに、指導医の先生は手際が良すぎて、さっさと終わってしまうんですね。
ところが、1年目の医局員の先生は、手際が悪いので、何度も何度も細かい修正が必要で時間がかかってしまったんですねな。

ところが患者さんは、「手際がいい」を「そっけない」と取り、「手際が悪い」を「一生懸命熱心に丁寧にやってくれた」と、受け取ったんでしょうね。

もちろん、人柄もあったかもしれません。
でも、腕前さえ良ければ患者さんに感謝されるというものではないんだな~と、強く印象に残った出来事でした。

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