よく噛むって本当に大事?歯と体を守る咀嚼(そしゃく)の大切さ

皆さん、こんにちは!さかの歯科・歯科医師の坂野果琳です。

「よく噛んで食べようね」「1口30回噛むと良い」など、誰でも一回は聞いたことありますよね。

噛むことを歯科用語で咀嚼(そしゃく)というのですが、実は咀嚼は歯や身体の健康を保つのにとても重要な動作なのです。

正しい方法を知らずに、今のままの咀嚼を続けていると、身体や歯や筋肉に大きな悪い影響を与えるかもしれません。

今回は咀嚼について、一緒に考えていきたいと思います。

咀嚼

 

 

 

 

 

 

咀嚼とはなんですか?

咀嚼(そしゃく)とは、歯や顎、舌、頬の筋肉などを使って食べ物を小さく噛み砕き、唾液と混ぜて食塊を作り、飲み込みやすい状態にする動作のことです。

咀嚼時に働く顔の筋肉が「咀嚼筋(そしゃくきん)」と呼ばれる筋肉群で、代表的なものに咬筋(こうきん)や側頭筋(そくとうきん)があります。

咀嚼は嚥下(えんげ)とも大きな関りがあり、食塊を作るための舌の動きや、口唇の閉じる力も関わってきます。

お口やお顔周りの筋肉が弱かったり、やわらかいものばかり食べて筋肉が発達しないと、食事だけでなく表情にも影響が出ることがあるので注意が必要です。

近年人気の咀嚼音にも注意?!

最近では「ASMR(エーエスエムアール)」などで、咀嚼音が注目されることもあります。

咀嚼音とは、食べ物を噛むときに口の中や顎の動きから生じる音のことで、スナック菓子の「ポリポリ」、リンゴの「シャキッ」など食材の特徴や噛み方によって変わります。

しかし咀嚼時に「カクカク」「ジャリジャリ」といった異音がする場合は注意が必要です。

もしかしたら顎関節症(がくかんせつしょう)のサインかもしれません。

音がする、痛みがある、口が開けづらいなどの症状がある方は、早めに歯医者での診察を受けましょう。

理想的な咀嚼回数とは?

昔から「一口30回噛みましょう」と言われます。

咀嚼をたくさんすることで下記のような様々な健康的な効果を発揮することができます。

 

よく噛むことで得られる効果

 

・消化吸収がよくなる

 

・食べすぎ防止(咬むことで満腹中枢が刺激される)

 

・唾液分泌が増え、むし歯や口臭予防になる

 

・脳の活性化(記憶力アップにも)

 

現代人は「早食い」「柔らかい食べ物中心」になりやすく、1回の食事での咀嚼回数が大きく減っているといわれます。

硬めのしっかり咀嚼が必要な食材(根菜、豆類、繊維質の野菜など)を意識的に取り入れることで、自然と咀嚼回数を増やすことができますのでぜひお試しください。

顎痛い

 

 

 

 

 

 

咀嚼する時に気を付けるべきことは?

咀嚼をする時に気を付けることを下記にご説明します。

 

左右均等に噛む

咀嚼は両側で均等に噛むようにしましょう。

片側ばかりで噛むと、顎のバランスが崩れ顎関節症や体のゆがみ、肩こり頭痛などになりやすくなります。

 

姿勢を正して食べる

前かがみや猫背は噛み合わせに影響を与えることがあります。

咀嚼だけでなく嚥下もしにくくなるので、しっかり深く腰掛け、なるべく背筋を正してお食事するようにしましょう。

 

よく噛める歯並び・義歯を整える

むし歯・歯周病・入れ歯の不具合があり、咬みにくいなどのトラブルがある方は、歯医者で治療し安定した咬み合わせになるよう治療しましょう。

 

目と香りも楽しめる食事を意識する

お食事は①目で食べ物を見て認識→②唾液が出て消化の準備がされます。

しっかり噛む事も大切ですが、お食事をゆっくり楽しむ事も大切です。

 

食形態を意識する

発達や年齢に合わせた食形態を意識し、硬さや柔らかさの調整を行いましょう。

幼少期は硬すぎるものや薄すぎるものは食べにくいです。

青年期からはしっかり噛みしめられるような硬さの食材もふんだんにいれると良いでしょう。

高齢期からは程よい硬さの食材を取り入れ、やわらかい食材のみにならないように気を付ける必要があります。

高齢期の方は既往歴や嚥下レベルなどによっても食形態が変わってくるので、病院の先生と相談して決めて行くと良いでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

よくない咀嚼はありますか?

オススメできない咀嚼について下記にご説明致します。

孤食

孤食とは家族や友人と食事することなく、1人で食事を取ることです。

1人で食事をすると会話がなく食事のスピードが高くなるので、咀嚼回数が減り消化も悪くなりやすいです。

できるだけ孤食を避け、たまには外食で会話を楽しみながら食事を行うと良いでしょう。

 

ながら食べ

ながら食べは心当たりがある方も多いのではないでしょうか?

ながら食べは食事に集中できないので、咀嚼回数が減り、スピードも速くなり消化不良へと繋がります。

お食事はしっかり腰を据え、時間をかけて召し上がるように意識してみて下さい。

 

食事や咀嚼の基本!「ひみこの歯がいーぜ」とは?

「ひみこの歯がいーぜ」という言葉をご存じでしょうか?

これはよく噛むことの大切さを標語にしたもので、咀嚼について大切な事がまとめられている言葉です。

 

・ひ:肥満予防

・み:味覚の発達

・こ:言葉の発音がはっきり

・の:脳の発達

・は:歯の病気を防ぐ

・が:がんの予防

・い:胃腸の働きを促進

・ぜ:全身の体力向上

 

咀嚼をしっかり行うことで、こんなにもいい効果が表れます。

ぜひ心にとめていただき、意識してみてくださいね。

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まとめ

よく噛む事は一見大したことない事かもしれませんが、お身体やお口に大きな影響を与えます。

1日3食全てをゆっくりお食事することは難しいかもしれませんが、1日1回でもゆっくり食事をする時間を設けていただき、咀嚼を意識して召し上がってみてくださいね。

かみ合わせや顎の状態が気になる方は、さかの歯科で治療することが出来ますので、お気軽にお問合せ下さい。

 

参考文献
日本咀嚼学会「ひみこのはがいーぜ」

 

 

 

 

 

 

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